© MMXXI CBS Studios Inc and Universal Television LLC. All rights reserved.
アクションチャンネルが独占日本初でお届けしている「私立探偵マグナム(シーズン4)」第15話に、ハリウッドを拠点に活動する俳優・尾崎英二郎さんが、主人公トーマス・マグナムの前に立ちはだかる重要な役どころで出演。この第15話を放送することを記念して、尾崎英二郎さんに撮影時の体験などを語ってもらった貴重なインタビュー(※全米映画俳優組合によるストライキが始まる前に実施)を特別公開!
トム・セレック主演で1980年代に人気を博した同名ドラマのリブート版で、常夏のハワイを舞台に、元海軍のトーマス・マグナムがトレードマークの赤いフェラーリを乗りまわし、数々の事件を解決していく痛快アクションシリーズ。アクションチャンネルでは今年8月よりシーズン4を独占日本初で放送中。同じくハワイが舞台の大人気ドラマ「HAWAII FIVE-0」の製作陣と、映画「ワイルド・スピード」シリーズの監督ジャスティン・リンが製作総指揮を務めている本作は、美しい大自然の中で繰り広げられる迫力ある銃撃戦やカーチェイスだけでなく、マグナムを支える仲間たちとの友情や絆も魅力の作品。
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今回、尾崎さんが演じるのは、ハワイ最大の犯罪組織を仕切る男、シマ。息子が何者かによって誘拐されてしまい、マグナムに犯人捜しの依頼をする役どころ。マグナムを演じるジェイ・ヘルナンデスと共演した緊迫したシーンが見どころなのはもちろん、来年1月に日本公開予定の映画「エクスペンダブルズ ニューブラッド」にメインキャストとして出演する女優レヴィ・トランや、「ER」などに出演したゲディ・ワタナベ、映画「ローン・サバイバー」のリッチ・ティンなど、ハリウッドで活躍するアジア系俳優たちとの共演にも注目。
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※インタビューは今年、全米映画俳優組合によるストライキが始まる前に実施しました。
このドラマが、「ワイルド・スピード」のクリエイターが製作総指揮として関わってスタートしたシリーズだというのは知っていましたから、まずオーディションの時点でときめきを感じました。しかもゲストスター枠の悪役となると、当然、人物に重みや威圧感のようなものが無ければストーリーが成立しないわけですから、そういうポジションを獲得できたことは嬉しかったですね。元々想定されていた役の年齢は60歳代と、実際の僕の年よりかなり高かったので、出演が決定した時は「まさか!」という驚きがありました。
このエピソードでは、実は2つの役をオーディションで受けたんです。しかも、シマ役だけでもシーン台本が12ページもあってすべて英語でしたから、それを数日で頭に叩き込んで演じきらないといけない、という状況でした。
本作は、「HAWAII FIVE-0」とも世界観を共有している作風ですし、物語の展開がとても速い。セリフが英語のみの役柄は、スピードを考慮すると、アジア系アメリカ人俳優たちが断然有利ですし、2役を同時に受けるのはリスクがありました。キャスティング担当者からは、一方だけを受けてもいいとも言われました。でも年齢が合っていないとはいえ、シマ役はあきらめるには惜しい良役だったんです。なので「両方、受けます!」と覚悟を決めて臨みました。結果が舞い込むまでは、「きっとシマは米国のアジア系のベテランが演じるのだろうな、、」と想像したくらいのポジションでしたから、オーディションの段階であきらめないで本当によかったと思っています。
本番までの準備では、年配の人物の佇まいを意識していました。悪名高い犯罪組織のボスともなれば、威厳や風格が漂っていなければならない。きっと老けメイクも施すのだろう、、と、考えていました。ところが本番当日、老けメイクはせずに実年齢の容姿のままで撮ると知らされたんです。これには再び驚かされました。でもそれは、オーディション時の演技を気に入ってもらえた証でもあります。「自分の(若く見られがちの)見た目でも、堂々たる空気を生み出さないと!」と、挑戦の難易度も高まりました。“マグナムを脅かす”存在にならないといけないわけですから、とにかく精一杯、力を注いで演じるだけでした。
ハワイでの撮影は、僕は初めてだったんですね。ロケ地もエキゾチックで心が弾みましたが、撮影クルーの皆さんが明るく、優しく迎えて下さって、とても気持ちよく働くことができました。とても活気があり、現場に溢れているエネルギーを感じました。エピソード監督を務めたデイヴィッド・ストレイトンは俳優たちを鼓舞して盛り上げるのが上手い人で、シマ役の貫禄を生み出すためのヒントや助言を登場シーンの撮影時に直接伝えてくれたりして、非常に助かりました。共演陣のレヴィ・トラン、リッチ・ティン、ゲディ・ワタナベらは経験豊富で、多方面で活躍中のアジア系アメリカ人俳優たち、しかも全員がとっても気さく。セットにずらりとアジア系の俳優たちが並ぶ景色は壮観で、“組織”を構成する一体感が自然と生まれて演じ易かったです。
番組を牽引するジェイのセリフは驚くほど膨大なんですね。各シーンを次々とこなしていく姿は圧巻でした。シマが登場し、初めてマグナムと対峙するシーンは前述した通り非常に長い場面だったんですけれども、シーン頭から最後まで通しで撮影することになったんですよ。外国人の僕にとってはもちろんですが、アメリカ人俳優でも容易ではない局面です。そこでジェイが、撮影のセッティングが整うギリギリまで、セリフを2人で一緒に練習する時間をとってくれたんですね。彼のこの時の提案に、このシリーズに初参戦する僕はとても救われました。この貴重な練習のひとときと本番で重ねるテイクの間に、台本に書かれた言葉を、だんだんと自然に“自分のもの”にしていくジェイの演じぶりは本当に見事でした。しかも主演だからといって偉ぶらず、撮影2日目には初日の出来を褒めてくれたり、共演者への気遣いも欠かさない姿勢があたたかく、彼のファンになりました。
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好きなアクションのジャンルは、やはり日本人らしさを醸し出せる「武道」が物語に絡んでくるものですね。日本刀を駆使する殺陣や、空手の型などは、僕らの神秘性や魅力を伝えやすいという有利さがあります。と同時に、アメリカという土地柄や、我々の歴史上、物語の展開によってはライフルや拳銃、ときには手榴弾のような武器の使い方まで覚えないといけないケースもあります。
僕はアクション畑出身の俳優ではないので、新たな役柄に向き合う度に、役として求められる分野のアクションを必死に修練しないといけないのですが、出会いもまた楽しく、常に学びがあり、俳優という仕事の醍醐味の1つでもあります。
年々、歳を重ねるごとに、ようやく社会的責任の伴う役を獲得できる機会が増えてきているので、ここからもさらに意義深い物語と奥行きのある役どころに挑んでいきたいですね。政治劇、法廷劇、SF、医療ドラマ、コミック原作もの、、、どんなジャンルでも役の重要度が増すほどハードルも益々高くなると思いますが、日本人俳優がアメリカの業界の奥、どこまで入り込んでいけるか、、というのが、僕の変わらないテーマです。もしまた“悪役”に挑めるのであれば、「まさかこの真面目で温厚な人物が、真の黒幕だったのか、、!?」と、観て下さる方々を唖然とさせるような役作りにも臨んでみたいです。
ハリウッドの地の競争の末に獲得した役柄は自分にとってどれも思い入れのあるものですが、それらを全力で演じた作品が、母国日本に届き、皆さんに観ていただけるというのは何よりも嬉しいことです。今回のシマ役登場の第15話はまだコロナ禍に毎日のように検査を受け、現場でも本番のテイクとテイクの間にはマスクを着けながら、皆がリスクを背負って撮り上げた回ですから、その成果をようやく披露できるのは感慨深いものがあります。マグナムが絶体絶命のピンチに陥る注目のエピソード、どうかお楽しみ下さい!
尾崎英二郎
1969年3月31日生まれ。神奈川県出身。
<主な出演作品>
映画「ラスト・サムライ」「硫黄島からの手紙」他
尾崎英二郎
1969年3月31日生まれ。神奈川県出身。
<主な出演作品>
映画「ラスト・サムライ」「硫黄島からの手紙」他
私立探偵マグナム(シーズン4)
第15話「死刑宣告」
字幕版:11/18(土)夜11:00
二カ国語版:11/22(水)夜11:00
<第15話あらすじ>
マグナムは悪名高い犯罪組織のボス、オシー・シマ (尾崎英二郎) の行方不明の息子を探すよう迫られる。マグナムは自分が毒を盛られたと知り、解毒剤を手に入れるためには、残り8時間でシマの息子を見つけなければならなくなる。