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シーズン10の前に:スターゲイト宇宙の歴史

遥か超古代、ある銀河にエンシェントとオーライという二つの知性を持った種族があった。互いに相容れぬ二種族はエンシェントがその銀河から去り、別の銀河に移住することで袂を分かった。我々の銀河にやってきたエンシェントはその科学力でスターゲイトを作り上げ、銀河系のあらゆる惑星に瞬時に移動できるシステムを構築した。そして、あるものはペガサス銀河に進出したが、自ら生み出した生命力を吸う知性体レイスと戦闘になり、ペガサス銀河を棄てて地球に戻ってきた。物質文明の頂点に達したエンシェントはやがて、精神面を発達させ、肉体を棄てて精神の存在となる"高み"に登りつめてこの次元を去る。しかし、高みに達しなかった一部のエンシェントは後に生まれた人類に崇められながらも、やがて地球人に同化してその遺伝子を残す。

そして数万年後、寄生生命体ゴアウルドが記憶を遺伝するという特質を生かして科学技術を発達させる。さらにエンシェントの残したスターゲイト・システムを利用して次々と惑星を支配してゆく。平和を愛するエイリアンのアスガードやゴアウルドの反乱分子トクラなどはゴアウルドと対抗していたが、特出した科学力とジャファと呼ばれる地球人の子孫達の奴隷戦士などの強大な戦力を持つゴアウルドは銀河に君臨する。

しかし、地球でスターゲイトが人類によって発見され、オニール、ジャクソン博士、カーターなどが宇宙に進出した時、銀河の様相は一変する。ジャファから寝返ったティルクを加えたSG-1チームはトクラやアスガードと手を組み、ゴアウルドを次々と撃破していく。そしてSG-1は遂に最強のゴアウルドのアヌビスを倒し、ジャファを解放して銀河に平和をもたらすのに成功する。

しかし、かつてエンシェントと争ったオーライが地球を含む銀河の存在を知り、侵略の魔手を伸ばしてきた。我々の銀河に通じるスーパーゲイトを作ったオーライは宇宙艦隊を送り込んでくるのだった…

遂に最終となるシーズン10を迎える「スターゲイト」。「スターゲイト」はこれまで「新スタートレック」の7シーズンや、「Xファイル」の9シーズンを越える最長のSFTVシリーズとしてギネスブックにも記載されている。「スターゲイト」本編はこのシーズン10で終了するが、途中でアニメ作品「スターゲイト/インフィニティ」が製作され、さらにアメリカではスピンオフの「スターゲイト/アトランティス」のシーズン5がこの秋から放映される予定である。作品終了後に2本のTVムービーが製作されたが、さらに来年は第三のスピンオフ作品である「スターゲイト/ユニバース」も製作されることが決まっている。「スターゲイト」宇宙の冒険はまだまだ続くのだ。

ハモンド将軍役のドン・S・デイビス氏が2008年の6月29日に心臓発作で亡くなった。 シーズン10の第207話「The Road Not Taken」がTVシリーズ「スターゲイト」の最後の出演となっている。(DVD作品としては先日、日本でも発売された「スターゲイト コンティニュアム ザ・ムービー」のオリジナルDVD作品の出演が最後であるが)

第197話「ペガサス合同作戦」では遂に「スターゲイト/アトランティス」とのクロスオーバー(合作)・エピソードが登場する。マーリンの残した超兵器の手がかりを追ってアトランティスに向かったジャクソン博士達がウィアー司令官やマッケイ博士と共にペガサス銀河でエンシェントの遺跡を探る、というファンにはたまらない構成となっている。

シーズン10最大の異色作はなんと言っても第200話記念の「祝!200回記念」である。この作品はSF作品としては初めて200話を迎える作品ということでイベント的に製作された一種のお祭り騒ぎの物語である。第100話の「過激なワームホール」の続編ということで、マーティン・ロイドの再登場、オニール将軍のゲスト出演と共にSG-1メンバーが各々コスプレ姿で様々なSF作品をパロディで演じるというしゃれっ気に満ちた話。なお、この話は世界最高のSF賞であるヒューゴー賞の短編映像部門にノミネートされ、日本で行われた2007年の世界SF大会で特別上映された。

シーズン9から登場した"ルシアン同盟"はゴアウルドの圧政下では息を潜めていた悪党達がその脅威がなくなった途端に手を組んで結成した犯罪者同盟である。スペース・マフィアというアイデアは脚本家でプロデューサーのダミアン・キンドラーのアイデアであるが、彼らのイメージはTVシリーズ「ソプラノズ」をヒントにして作られたという。203話「荒くれ者たち」はルシアン同盟が重要なファクターとして再登場し、SG-1との虚虚実実の戦いを展開する。

204話「The Quest Part1」はマーリンの残した超兵器の秘密を追って惑星サンガールを訪れたSG-1がそこで洞窟の宝を守るドラゴンと対決するというまるでファンタジー映画のような話。火を噴くドラゴンなどの珍しいSFXが見物であるが、この話では村のセットの一部に映画「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」のセットが流用されているので、背景のセットにも要注意だ!

第209話「Bounty」に登場するエイミー・バンダーバーグ役のアン・マリー・デルイーズは「スターゲイト」のメイン監督であるピーター・デルイーズの妻でもある。彼女はシーズン4の「地下帝国への救援」にも出演しているが、この時はまだ、(結婚前なので)アン・マリー・ローダーだった。2002年にピーター・デルイーズと結婚したが、これでデルイーズ一家は父親・兄・弟・本人・妻とほぼ全員が「スターゲイト」に出演したことになる。

第211話「Talion」は復讐に燃えるティルクがSG-1から離れてただ一人復讐に向かうという全編激しい活劇アクションに満ちた作品である。TVコードぎりぎりのアクション描写を含めたハードなストーリーはプロデューサーのロバート・C・クーパーデンゼル・ワシントン主演のアクション映画「マイ・ボディガード」にインスパイアされて製作された。復讐に燃える寡黙な男、というティルクの最高のイメージをシリーズ終盤に描いておきたいという配慮にクリストファー・ジャッジも感動したというそうである。

シーズン9の最初の数話にカーター役のアマンダ・タピングが出演していないのはちょうどこの話の撮影時期に彼女の出産が重なったためである。そこで、チームにヒロインを加えるために、スタッフはシーズン8での人気キャラクターだったバーラ(クラウディア・ブラック)を再登場させたのである。アマンダ・タピングの出産休暇が終わって彼女が復帰し、バーラは「スーパーゲイト」で一時退場となったが、彼女の人気が非常に高かったためにスタッフはシーズン終盤でバーラを再登場させ、シーズン10では再びSGCの主要メンバーとなる。スタッフの考えた人物配置では、バーラに対してジャクソン博士は憎からず思っていて、ミッチェルとティルクは一目置いている。では、カーターは彼女をどう思っていてどう接するか?スタッフは頭を悩ませた。「僕が脚本を書いたシーズン10の最初の方の話でカーターとバーラが並んで歩きながらカーターがバーラにSG-1への加入を勧める、というシーンがあったんだ。そこで二人のやり取りがあって一種のライバルみたいになる、という感じで。でもそれは時間の都合でカットされてしまった。二人の関係をどうしようかと思っていたけれども、なんとなく仲良くなった、という感じにして、第214話「Family Ties」では冒頭でバーラとカーターの二人が温泉とショッピングの小旅行から帰ってくる、というシークエンスから始めて、二人は仲の良い女友達になったということになったんだ。」と脚本家でプロデューサーのジョセフ・マロージーは語っている。確かにカーターとバーラの仲が悪かったらチームにとってはオーライ以上の脅威である。

文/松岡 秀治

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