LOVE LETTER TO LOST

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LOSTをすべて見終わったあなたに捧げるスペシャルコラム!
※ファイナル・シーズン最終話までのネタバレがありますので、閲覧の際には十分ご注意ください。

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【1】LOVE LETTER TO LOST

 正直に告白しよう。「LOST」の最終話「終幕」をはじめて見たとき、ぼくは大切な友人に裏切られたような気分になって、ひどく落ち込んだものだ。このエンディングは全米で賛否両論を巻き起こしたから、「LOST」ファンのなかでぼくの反応は決して珍しいものではなかったようだ。じっさい、製作総指揮のデイモン・リンデロフとカールトン・キューズも、ファンからの大ブーイングに心を痛めたと明かしている。

 しかし、全米放送から半年近くが経過したいま、最終話に対するファンの見解はがらりと変わった。10月上旬、Spike Scream Awardsという祭典に参加したカールトン・キューズは、レッドカーペット取材で近況をこう明かしている。
「奇妙なことにここ数ヶ月間で誰もがあのエンディングを愛するようになった。大きな変化が起きたんだよ」

 変化が起きたのは、ぼく自身にしても同じだ。ファイナル・シーズンに関しては、全米放送のあとも、「LOST UNVEILED」や「LOSTの謎を語ろう」の執筆のために、各エピソードを3回以上鑑賞することになった。過去5シーズンと同様、ファイナル・シーズンは秀逸なエピソード(「目覚めの時」は、今シーズンのベストだと思う)と凡庸なもの(たとえば「彼女の心情」)がまじりあって、完璧なフィニッシュだったとは言い難い。それでも、見直すたびに心の傷は癒え、いつしか例のエンディングを受け入れられるようになっていった。いまではこの結末が必然と思えるほどだ。

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 キューズとともに、レッドカーペット取材に答えたデイモン・リンデロフはファンの心変わりを以下のように分析している。
「最終話は恋愛関係の終わりと似ている。失恋したときは、終わったときのことしか考えられない。でも、時間が経つにつれて、そもそもどうして夢中になったのか思い出すようになる。いま、まさにその現象が起きはじめているんじゃないかな」

 さすが見事な分析だが、リンデロフの主張が正しいならば、これから最終話が放送される日本でも全米同様のバッシングは避けられそうにない。「LOST」との突然の“失恋”を体験したファンに、怒りや失望、混乱といったネガティヴな感情がわき上がるのは無理もない話で、おまけに期待値が異常なほど高くなっているから、「これまで『LOST』に捧げた時間を返せ!」と叫びたくなる人もきっと出てくるだろう。

 その後、アメリカの「LOST」ファンがそろって心変わりしたように、これが一過性の現象であることは分かっている。しかし、“失恋”のプロセスを一足早く体験したファンの一人として、仲間が苦悩する姿を指を咥えて見ているには忍びない。そこで、自分がなぜ「LOST」のエンディングに傷つき、その後、いかにしてその価値を再発見するに至ったか、個人的経験を綴ってみることにした。絶望のどん底に突き落とされたファンを救い出すことは出来ないかも知れないが、せめても緩衝材として役立ててもらえば幸いだ。

 

文/小西未来

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