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マイアミvs.ラスベガス:二つのCSIの相違点

「より微細な」ものに目を向け、根気よく丹念に調査を行い、真相を解明していく…。 「CSI:科学捜査班」の一番の魅力は、最上級の推理小説を読むが如く、何層にも複雑に絡み合ったプロットを、 登場人物と視聴者とが一体となって解決の糸口を見つけていく…という本格的なミステリーと良質の人間ドラマが絶妙に織り成されたストーリーと、 リアリティ溢れる演出にある。 「CSI:マイアミ」もオリジナルシリーズの良さをしっかりと受け継ぎながらも、マイアミならではの魅力的な展開を見せている。

二つのCSIの違い、そして「CSI:マイアミ」の魅力とは…?

<1>ロケーション

本シリーズの舞台となるマイアミは、ラスベガス同様、世界最大級の観光都市。だが、温暖な気候、輝く太陽、青く、果てしなく続く大西洋に面したマイアミは、解放感でいっぱいのリゾート都市!夜間シフトチームの活躍を描いたラスベガスのストーリーに比べると、原色のよく似合う、明るく華やかな雰囲気に満ちている。
だがその反面、中南米の玄関口であり、麻薬や武器密輸の中継地としても知られるマイアミは、凶悪犯罪の発生率が非常に高く、砂漠に囲まれた娯楽都市であるラスベガスで起こる事件との違いとなっている。また、そのロケーションの明るさが、事件をより凄惨なものに見せる効果も生み出しているのだ。

<2>事件

麻薬・武器密輸の中継地となっているマイアミでは、事故や観光客目当ての犯罪からマフィアがらみの凶悪犯罪まで、様々な事件が発生している。そのため、 CSIのメンバーたちも銃を携帯することが多く、銃を抜いて犯人を追い詰めるシーンもあり、凶悪犯罪の多さを際立たせる演出となっている。(ラスベガスでも、キャサリンが容疑者を射殺したり、メンバーが銃で脅されるシーンはあるが…)
被害者も一般市民、観光客、マイアミに別荘を持つセレブ、南米からの移民、英語をしゃべれないヒスパニック系、不法滞在者と多種多様。移民の多いアメリカの実情や問題点などが浮き彫りになるエピソードも少なくない。

<3>メンバーの専門分野

ホレイショ・ケイン vs. ギル・グリッソム

CSI:科学捜査班」が登場したとき、メンバーは「究極のオタクたち」と評されたことがある。ラスベガスチームの主任ギル・グリッソムの専門は昆虫学。遺体に群がる虫をみて、死亡時期や時には死因までも検討をつける。その他、薬品や病理など広範囲にわたる知識を持ち、クロスワード・パズルも得意。ところが、デスクワークとなると全くの苦手…。ある意味、“オタク”を極めた存在と言える。
一方、マイアミのチーフ、ホレイショは、爆弾処理班の出身で火薬・爆発物の知識が豊富。ポリスアカデミーも卒業しているため、報告書の作成もデスクワークも難なくこなす。グリッソムと比べるとオタク度では負けるが、知識の豊富さやプロ意識の高さ、ワーカーホリック度合いはひけを取らない。ホレイショの魅力は、そのクールさにある。常に冷静沈着、ニコリともしない表情の裏には、被害者の立場に立ち、真相究明にかける激しい情熱が隠されており、犯人を追いつめる際には、鬼気迫るものがある。どこか暖かみのあるグリッソムとの相違点だ。

事件の地域性を物語るメンバーの専門性

海に囲まれたマイアミでは、水中捜査が必要な事件も数多く発生する。産業廃棄物で汚染された水路や、アリゲーターの棲む運河で証拠を求めての捜索に対応するため、水中リカバリーを担当する捜査員エリック・デルコがメンバーに名を連ねる。これは砂漠に囲まれたラスベガスでは有り得ないこと。
また、銃が絡んだ凶悪犯罪が多いことから、銃器や弾道学の広い知識をもつカリー・デュケーンの活躍も見逃せない。現場に残された薬莢や弾の入射角などから、使われた銃の種類や発射距離などをピタリと言い当てる。そして彼らは皆、ホレイショが見込んで引き抜いてきたメンバー。犯罪の地域性、特殊性によりメンバーの特殊技能もラスベガスとは明確に差が出るのだ。

<4>人間ドラマ

CSI:マイアミ」のもう一つの特徴といえるのが、登場人物の設定にある。ラスベガスチームでも、元ストリッパーでシングルマザー、別れた亭主に手を焼くキャサリンや、ギャンブル好きのせいでトラブルに巻き込まれるウォリック、捜査官として致命的とも言える遺伝性疾患で、聴覚障害に悩むグリッソム…と、登場人物たちの背景が描かれなかったわけではない。
だが、「CSI:マイアミ」で描かれる人物像はさらにドラマチック!母親を麻薬ディーラーに殺されたホレイショは、警官だった弟が麻薬組織への潜入捜査中に殺されるという過去を持ち、弟の死の原因を突き止めることを願っている。弟の妻であり、刑事でもあるイェリーナとの関係もシーズン1 終盤からの見どころの一つとして注目される。また、元CSIチーフで、目の前で夫が殺された過去を持つメーガンがショックから立ち直りきれないまま現場に復帰、ホレイショとの対立なども描かれる。移民のデルコは、同じくマイノリティが被害者の事件では冷静さを欠く捜査でホレイショからたしなめられたり、才色兼備のカリーでさえ、父親との関係に頭を悩ます。
CSI:マイアミ」は、ラスベガス版以上に、メンバー一人一人の人間臭さがストーリーに深く関わり、作品をよりリアルで、視聴者にとって身近なものとしているのだ。

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