見どころHighlight
未解決の凶悪犯罪を題材とし、放送が始まった2003年より回を重ねる毎に、多くの視聴者を魅了している「コールドケース」。2007年の秋からはシーズン5の放送が決定し、好調の波に乗る本作品の人気の秘密とは…?
1. 時代を超えて語られる幅広いストーリーと濃密なヒューマンドラマ

シーズン1で取り上げられた中で最も古い事件は1939年にまで遡る。現代とは全く異なる倫理観や社会情勢の中で起こる事件の数々に、リリーたちは果敢に挑んでいく。本作品は当時の捜査資料を糸口として、丹念な聞き込みや最新技術を使用した証拠の再検証など、粘り強い捜査から真実に近づいていくサスペンスドラマの傑作だ。だが、本作の魅力はそれだけではない。事件当時の時代背景、社会情勢も丁寧に描き、被害者とその周辺の人々の間に築かれていた人間模様も克明に描き出す濃密なヒューマンドラマでもある。人種差別、赤狩り、宗教、同性愛、エイズ問題などで社会全体が揺れ動くなか、今だからこそ語ることのできる真実が、時代を象徴する音楽と共に感動的に描かれるのだ。
また、本作で取り上げられたエピソードには、実際にアメリカで発生した未解決事件を元に制作されたものもあるという。徹底した時代考証のもと、番組の中で語られるストーリーはリアリティに溢れ、より質の高いドラマを生み出すのに大きな役割を果たしている。本作で語られる時代を超えた幅広いストーリーと重厚な人間ドラマに、人々は魅了されずにはいられないだろう。
2. こだわりのキャラクター設定
「CSI:」シリーズにも代表されるように、ジェリー・ブラッカイマーが手がけたTVシリーズは、主役級の登場人物は複数で、メインは男性という設定がほとんどだった。だが今回のメインキャラは女性。気が強く男勝りだが、その内面は傷つきやすく、繊細さを併せ持った設定となっている。そのような女性だからこそ、“死んだ事件”とも言われるコールドケースの解決に全力を傾けられるのかもしれない。
そして濃密なヒューマンドラマが紡ぎ出す真実の重さ、切なさを伝えるのに、女性キャラ特有の優しさや穏やかさが効果的な役割を演出しているとも言えよう。エピソードの最後には、毎回リリーが被害者の姿を目にするシーンが挿入される。真相を究明した後の安堵感と共に切なさの残るラストシーンの美しさは秀逸!
3. リアル&ノスタルジーにこだわった映像

番組冒頭で描かれる事件発生当時の被害者の様子。そして再捜査の過程で出会う関係者が語る過去の状況。本作では現在のシーンの合間に、事件当時の映像がフラッシュバックとして効果的に挿入される。ここで描かれる過去の映像は、当時の雰囲気をできる限りリアルに再現するため、その時代の流行に合わせた衣装、メイク、ヘアスタイルは勿論のこと、建造物やインテリア、道路を走る車、自転車、カルチャーに至るまで徹底した時代考証のもと制作されている。視聴者が目にする映像は、時代と共に移り変わるアメリカン・カルチャーの象徴とも言え、懐かしさと共に当時の状況を理解し、ストーリーにより感情移入しやすい効果をもたらしているのだ。
さらに、フラッシュバック・シーンを現在のシーンと区別するため、画質や画面の色調を変える演出を採用している。語られる時代に合わせ、セピア色に加工したり、あえてザラつき感のある粗い画質に変更するなど、こだわりのあるビジュアルも話題の一つとなっている。









